同人誌と表現を考えるシンポジウム
内容的には同人誌と"性"表現を考えるシンポジウム
http://sokubaikairenrakukai.com/news070330.html
ITmediaで発言の要旨が公開されている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/21/news010.html
興味深い内容だったが、整理が足りない印象が強いので、同人誌の性表現におけるリスクマネジメント問題として自分なりに整理。
予防策としての即売会でのゾーニングと、問題発生後にどうするか?の議論が足りないのではないか。
リスクの範囲
任意の同人誌が性表現を理由に法律/条例で違反で摘発されることによって
同人誌活動全体に対して継続の困難や、表現への制約が加わること。
(この議論では表現の自由、パロディと著作権、税金問題、暴力/犯罪表現などは対象外)
・リスクの詳細
A)刑法175条(わいせつ性)
対象表現:善良な性的道義観念に反する
対象行為:販売、販売目的の所持
B)児童ポルノ禁止法
対象表現:実在する18歳未満を描写
対象行為:販売、販売目的の製造・所持
C)青少年条例
対象表現:青少年の健全育成を阻害する表現
対象行為:18歳未満への販売
リスクマネジメント
リスクマネジメントにしたがえばリスクに対する対処は大別すると以下。
回避、軽減、移転、保有
本来であれば比較検討する必要があるが、とりあえず回避手段を検討。
・リスク回避手段
(他にもあるかもしれないが、現在実施されている2点について検討)
1)リスクの対象表現しない
→ 表現のチェック(リスクのA,B,C全てが対象)
どこでチェックするのか?
1−1)入口(製造)でのチェック
→ 作家・サークルは、数が多いため、統一したチェックは困難。
→ 同人誌印刷業者でのチェックが行われている
1−2)出口(販売)でのチェック
→ サークルは、数が多いため、統一したチェックは困難。
→ 即売会でのチェックが行われている
2)リスクの対象行為をしない
→ ゾーニングによる販売対象の限定(リスクCが対象)
→ 書店販売ルートでのゾーニング
→ 商業誌販売で実績と同様のゾーニングが実施されている
→ 即売会でのゾーニング
→ サークルは数が多いため、統一したゾーニングは困難
→ 即売会主導のゾーニングは行われていない(サークルへの啓蒙は行っている)
3)自主規制を実施していることのアピール
・同人誌の製造・販売経路
製造 作家、サークル、同人誌印刷業者
販売1 書店
販売2 即売会、サークル
・【参考】商業誌の場合
製造 作家、出版社、印刷所、製本所
販売 書店、コンビニ