動画で観るPepperと舞台芸術

この記事はPepper Advent Calendar 2018への参加記事になります。

はじめに

私はロボットも舞台芸術(演劇とかダンスとか落語とか)も好きなのですが、最近ではロボットが舞台芸術で活躍する場面も多く、特にPepperはサイズが人間に近いからか、他の人型ロボットに比べて登場頻度が高いように感じます。

しかし、まとまった情報があまり無いように思いましたので、Pepperを使ったパフォーマンスで動画を見ることができる作品のまとめ記事を作ってみます。私が知っている限られた範囲で選んでいるので、見落としもたくさんあると思います。これもスゴイよ~という動画があればぜひコメントお願いします。

では、早速見ていきましょう!

演劇

2016年11月 演劇集団紅茶組「フタツメノペッパー」

最初のPepperの演劇出演は2015年1月のPLUTOですが、ほんのチョイ役だったようです(未見) 。本格的なPepper演劇は演劇集団紅茶組の「フタツメノペッパー」です。しかも稽古を見た方のブログによるとオートノマスライフ(プログラムではなくPepperが自律的に応答するモード)を利用してアドリブする場面があったとの事です。現在に至るまで多くの舞台芸術作品がセリフや動きを作り込んでいるのを考えると最初にして非常にチャレンジングな試みです。

2017年1月 Pepper演劇「Ph/7.4」

私が初めて観たPepper演劇です。20分の短編とはいえPepperがいる世界を少し想像させてくれる作品で、ロボットが普通に演劇に出演する時代が来るんだ!と感動したのを覚えています。

2017年7月 ロボット演劇「オキタミツヲの戯曲」

Pepperを使った演劇、漫才、マジックのような舞台芸術のイベントロボット文化祭で上演された演目です。Pepperとの二人芝居でロボットと演劇を扱ったメタな作品です。

その後、ロボット文化祭で演劇をやったメンバーを中心に伝言戦隊バイバイレンジャーという作品も作られる事になります。

ダンス

2016年10月 Helloween「ロボライブ!」@秋葉原UDX

ラブライブ!」に登場するキャラクターのダンスを完コピしてPepperが踊っていてとにかくスゴイです。曲やPepper間の同期など技術的にもかなり高度な事を行っていて、多くのイベントに出演しています。

2016年10月 長谷敏司×大橋可也&ダンサーズ「プロトコル・オブ・ヒューマニティ」

コンテンポラリーダンスの世界にPepperを使った作品です。

モーションキャプチャしたダンサーの動きをPepperに踊らせています。

ちなみに動画には出てきませんが開演前の前説はロボホンでした。(笑)

2018年11月 扇子で舞う、ロボットと踊る日本舞踊の世界〜鏡花水月

以前から界隈?ではPepperが扇子を開く動画が話題になっていましたが、日舞を踊るPepperとしてソフトバンクロボティクスの「あさってロボット会議」のコンテンツとして公開されました。ステージで実演するのを是非とも観てみたいです。

 

マジック

2015年2月 Pepper App Challenge 2015「Pepperのクロースアップマジックへの挑戦」

最初のアプリコンテスト、Pepper App Challenge 2015ではエンターテイメント寄りのアプリも多数決勝にエントリしていましたが、明確に演者として活用していたのはマッキー小澤さんのマジックでした。

漫才

2015年10月 M-1グランプリ ペッパーズ

お笑いの世界のPepper活用で有名なのはペッパーズです。2015年のM-1グランプリに初出場して2回戦進出しています。Pepperと人間が面白いやり取りをするアプリ自体は色々とありましたが、ペッパーズは漫才形式で成立させています。

2016年11月 芸人Pepperプロジェクト

慶應大学の白井宏美先生による人とPepperを使って漫才を作るプロジェクトです。

その後のプロジェクトとしてPepper x 笑い のハッカソン、「笑ッカソン」が2017年2018年と開催されています。

 

落語

2018年11月 胡生「雑俳」

ウメムラタカシさんによる、Pepperを落語の高座に上げてしまうという試み。

今回のAdvent Calendarでその裏側が記事になっているので詳細を知ることができます。

音楽

2016年5月 1st live【mirai capsule

2017年7月 mirai capsule 忍者パフォーマンス

おまけ

平田オリザのロボット演劇

演劇の世界でロボットといえば一番有名なのは青年団平田オリザロボット演劇/アンドロイド演劇の一連のシリーズで、阪大・石黒研の協力の元作られています。私も好きで再演などを活用して全て観ています。

しかしPepper発売前の2014年10月に発表された「変身」を最後に新作は作られていません。Pepperワークショップという形はあったようですが、Pepperやロボホンやaiboを演出することは当面無さそうで残念です。

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まとめ

ビジネス向けの活用が多いPepperですが、最初に出てきたマジシャンのマッキー小澤さんを講師に「魔術的ロボットユースケースデザイン」という「演出法」を学ぶワークショップも行われるようになっています。

 

逆に舞台芸術側、例えばコンテンポラリーダンスの世界ではアドバンストコレオグラフィという、バーチャルに作られた振り付けをダンサーが踊るような試みもあり、先日実際に観てきました。これで作られたモーションをロボットが演じても面白そうです。

 

今回は動画で紹介をしましたが、舞台芸術は実際に現地で身体性を伴うパフォーマンスを体験すると新しい発見がたくさんあります。この記事が劇場に足を運ぶきっかけになってくれたらとてもうれしく思います!